・可塑剤とは
 可塑剤とは、ある材料に柔軟性を与えたり、加工をしやすくするために添加する物質のことです。
 可塑剤は主に、塩ビを中心としたプラスチックを軟らかくするために用いられ、そのほとんどが酸とアルコールから合成される化合物(一般にエステルといわれるもの)です。
 酸としては、フタル酸、トリメリット酸、アジピン酸などがあります。また、アルコールはオクタノール、ノナノール、高級混合アルコールなどが主なものです。
 これらの酸とアルコールを様々に組み合わせることで、多種多様な可塑剤が作られています。
 本ホームページには何百という候補の中から試験をし、スクリーニングしたものを掲げてあります。
 これらはそれぞれの用途に対しコスト性能面から最適と立証されたものばかりです。

   

・硬い塩ビを軟らかくする
 可塑剤はどのようにして塩ビを軟らかくするのでしょうか。
 塩ビは常温では硬い樹脂ですが、それは塩ビの分子同士が強く引きつけ合って形を保っているからです。ところが、これを加熱すると、互いに引きつけ合う力よりも分子の運動量のほうが大きくなり、分子間の距離が広がってきます。つまり、“軟らかく”なるわけです。その状態の時に可塑剤の分子を入り込ませると、塩ビ分子の接近が妨げられ、冷却して常温に戻っても“軟らかい”状態を保つことができるようになります。これが、塩ビを軟らかくする可塑剤の働きです。専門的には可塑化と呼ばれています。
 塩ビの分子は、プラス、マイナスといった電気的に偏りがある性質(極性)を持っています。一方、可塑剤の分子はプラス、マイナスを持つ極性部と持たない非極性部に分けられます。そして、塩ビと可塑剤はこの極性部で電気的に結びつき、しかも非極性部が塩ビ分子相互の間隔を広げて軟らかさを保っているのです。

   

・可塑剤に求められる性能
 可塑剤に必要とされる基本的な物性として、分子量と沸点が挙げられます。可塑剤の分子量が小さすぎ、沸点が低すぎると塩ビの加熱成形時に可塑剤が揮発してしまうからです。
 また、すでに説明しましたように、可塑剤は極性部と非極性部とを兼ね備えていなければなりません。
 このようなことから、可塑剤にはエステル化合物が適しているのです。
 数多くのエステル化合物の中から、以下のような性能を備えたものが選ばれ、可塑剤として使われています。

  (1) 相溶性が良く、加工性が良いこと
  (2) 可塑化効率が良いこと
  (3) 耐久性(低揮発性、低移行性、耐油性)が良いこと
  (4) 耐寒性、耐熱性、耐候性、耐汚染性などが良いこと
  (5) 電気の絶縁性が良いこと

   

・安全性について
 一方、化学物質の環境・安全性に対する人々の意識と関心は年々高まっており、生産量が多く用途も幅広い可塑剤に対しても、これまで様々な面から検討が行われ、いくつかの問題が指摘されてきました。
 可塑剤工業会では、欧米の可塑剤業界と連携しながら長年にわたって様々な調査、試験、研究を行い、安全性について検討、解析を重ねてきました。その結果、フタル酸エステルを中心とした可塑剤が現行の使用条件下で人の健康や環境へ悪い影響を与える恐れはないと判断しています。
 21世紀も、可塑剤をこれまで通り安心して使っていただくため、今後とも安全性の確認に努力を重ねていくとともに、可塑剤の正しい姿をより多くの人々にお伝えしていきたいと思います。



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